不審死の大出さん、現場到着時は昏睡状態?(読売新聞)

 埼玉県富士見市で昨年8月、東京都千代田区、会社員大出嘉之(おおいでよしゆき)さん(当時41歳)が殺害された事件で、大出さんは現場となった駐車場に到着時、睡眠導入剤の作用で昏睡(こんすい)状態だった可能性が高いことが、捜査関係者への取材でわかった。

 自殺は不可能で、殺人容疑で逮捕された木嶋佳苗(きじまかなえ)被告(35)(詐欺罪などで起訴)の「駐車場で大出さんとケンカ別れした」との説明と矛盾する。埼玉県警捜査本部は、木嶋被告が直後に近くで目撃されるまでの「空白の30分」が犯行時間とみて調べている。

 捜査関係者によると、大出さんの遺体から木嶋被告が医師から処方されていた3種類の睡眠導入剤の成分が検出されており、遺体に残留していた成分濃度などを分析した結果、昏睡状態だったとみられる。

 また、木嶋被告が事件後、実家に送った荷物を調べたところ、すり鉢から睡眠導入剤の成分を検出し、押収した。

 捜査本部は、木嶋被告が食べ物に混入する錠剤の睡眠導入剤をすりつぶし、アルコールと一緒に摂取させたことで、薬の吸収と作用が強まったとみている。

 木嶋被告は当初、大出さんとレンタカーで駐車場に行ったことは認めているが、「自殺したのでは」と話していたという。

 これまでの調べで、大出さんは昨年8月5日午後7時頃、東京・板橋区でレンタカーを借りた後、同区内の木嶋被告宅で食事している。午後9時頃にレンタカーが練馬区内を通過した記録があり、沿道の複数の防犯カメラに、木嶋被告が運転し、大出さんが助手席に座る姿が映っていた。駐車場到着は、早くても午後9時30分とみられている。

 木嶋被告は午後10時過ぎ、駐車場から約300メートル離れた温泉施設で、従業員に声を掛けてタクシーを呼び、10時半前に乗車して自宅に向かったことが確認されている。

 捜査本部は、木嶋被告が駐車場到着後の約30分間に、練炭に着火したとみている。

 捜査関係者によると、過去例などから、車内で練炭をたいた場合、着火後30分以内に死亡するケースがほとんど。昏睡状態だった大出さんは逃げ出すこともできず、一酸化炭素中毒死したとみられるという。

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鳥取詐欺女、不審死の矢部さんと「もみ合いになった」…同居男に話す(スポーツ報知)

 鳥取県の男性連続不審死で、同県北栄町沖の日本海で遺体が見つかった同県若桜町のトラック運転手・矢部和実さん(当時47歳)の行方不明当日、鳥取市の元スナック従業員・上田美由紀容疑者(36)が北栄町の海岸で「矢部さんがいなくなった。もみ合いになった」と同居の男(46)=窃盗などの罪で起訴=に話していたことが31日、男の弁護人への取材で分かった。また、鳥取署捜査本部は、上田容疑者を殺人などの疑いで立件する方針を固めた。

 上田容疑者の、矢部さん不審死への関与を疑わせる新証言が“身内”から飛び出した。

 上田容疑者とともに窃盗などの罪で起訴され、鳥取市内のアパートで、上田容疑者と5人の子どもと同居していた男が、弁護人に証言したところによると、上田容疑者は昨年4月4日、北栄町の海岸から携帯電話で男に連絡してきた。男が車で指定の場所に行くと、矢部さんの軽トラックが止めてあったが、矢部さん本人の姿はなく、近くの海や林を捜したが、見つからなかった。

 上田容疑者は衣服がぬれており、「矢部さんと一緒にいたが、いなくなった」「もみ合いになった」と男に説明した。「着替えたい」とも話したため、車で現場を離れたという。

 その後、矢部さんは同月11日に、軽トラックが放置された場所から約3キロ離れた北栄町沖で、遺体で見つかった。捜査関係者らによると、衣類を着けていなかった。矢部さんが上田容疑者に100万円以上を貸していたことが分かっている。上田容疑者は、元弁護人に「矢部さんとは顔見知りだが、ほかの女性の交際相手でわたしとは関係ない」と説明していた。

 矢部さんの遺体からは、上田容疑者が殺害したとされる鳥取市の電器店経営・円山秀樹さん(当時57歳)と同様の睡眠導入剤の成分が検出されており、捜査本部は上田容疑者が矢部さんも殺害した疑いが強まったとして、殺人などの疑いで立件する方針を固めた。円山さんに対する強盗殺人の捜査が終わり次第、本格捜査する。上田容疑者が逮捕されれば、詐欺や窃盗での5度と、円山さんに対する強盗殺人容疑に続き、7度目の逮捕となる。

 捜査本部は矢部さんらと同様、遺体から睡眠導入剤の成分が検出された無職・田口和美さん(当時58歳)の不審死についても捜査している。田口さんは上田容疑者と同じアパートの住人で、上田容疑者が食事や身の回りの世話をしていたが、昨秋になって体調を崩し、昨年10月27日に自宅から救急搬送されたが、急死した。

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